ウサミ映画雑談カフェ

好きなものは映画とミスチル他。 好きなものの魅力を雑談形式で。

永遠の名作 『ゴッドファーザー』を紐解く #1 今から観ようと思ってる、観直そうと思ってるあなたへ!

どうも、こんにちは、ウサミでござる。

 

皆さん、ゴッドファーザーという映画は知ってますか?

 

 

そう、暗いところでおじさんが葉巻を吸い、猫を撫でているアレです。

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暗いとこで猫を撫でるオジサン

 

名前やメインテーマくらいは聞いたことあるのではないでしょうか?

 

 

ゴッドファーザー』(1972)

監督:フランシス・フォード・コッポラ

出演:マーロン・ブランド アル・パチーノ ロバート・デュバル 他

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地獄の黙示録フランシス・フォード・コッポラ監督作品で、名優アル・パチーノ出世作となった作品です。

Part1とPart2がともにアカデミー最優秀作品賞に輝くという快挙を達成した、稀代の名作映画です。

 

映画好きならば一度は観ておきたい作品の一つだと思います。

名前聞いたことあるし、面白そうだから観てみたい!という人も多いでしょう。

 

 

 

しかし!

なんだかんだでまだ手を出せていないっていう映画好きもいるはず。

 

 

そう。何を隠そうこの映画、180分もあるのです。

 

映画は、100分がちょうどよくて、120分以上は大作だ、と個人的には思ってるんですが。

なんとこの映画、ちょうどいいラインの100分から、80分もオーバーしています。

 

 

 

まーーーー長い。

こんな長い映画、観るのはいくら何でも骨が折れます。

 

 

さらに、正直わりと難しい

 

そして、これ何の映画なん?という映画好きを最も苦しめる質問が飛び交います。

 

なんなら、一度見たけど、よーわからんかった

って人もいるはず。かくいう僕もその一人でした。

 

 

 

やたら名作名作っていわれてるし、わかんなかったっていったら馬鹿に思われそうだからとりあえず「凄かった・・・」って言っとけ

 

 

 

と思ってました。

 

分かんなかったからといって、見直そうにも180分だしね。

 

 

でも大丈夫です。

そんな僕でも、再鑑賞した時に、しっかり観察すれば、めちゃくちゃ楽しめました

 

そう、180分の長さを忘れるほどに。

 

 

今回は、難しそう!よくわからん!という障壁を取り除くことができるような記事を書いて、ぜひとも皆さんが『ゴッドファーザー』の魅力に浸れる手助けができたらな、と思います。

 

 

 

 

1.上映時間の長さ

 

 

180分。確かに長いです。

東京事変の「能動的三分間」をちょうど60回聴けます。能動的に180分も動くことはなかなかできません。

 

 

でも、その長さを苦とさせないほどの魅力があります。

 

 

しかし、長い時間を楽しむためには、ある程度「観る側」も観客者として映画に参加していく必要があります。

いわゆる「勝手に面白くなってくれる映画」ではありません

 

確かに、「受動的鑑賞者」をも楽しませてくれる映画も多いです。特にエンタメ映画はそうですね。それはそれですごく楽しいし、間違ってはいません。

 

しかし、それだけでは、時にせっかくの名作映画も見逃してしまうことがあります。

「能動的鑑賞者」になることができれば、映画を観るのが楽しくて仕方ないし、時間がたっても映画の内容を忘れることなく語れるのです。

 

一度目は、僕も「受動的」に観てしまい、理解しきれなかったのです、

ぜひとも「能動的鑑賞者」になりましょう。

 

この映画は「能動的百八十分間」を実現しちゃいましょう。

 

 

そのために、ある程度の理解力と、予備知識が必要。

今回はその辺を書けたらと思います。

 

 

 

2.そもそもどんな映画?何の映画?

 

 

この映画、「マフィア」の映画です。

 

とはいえ「天気をモチーフにした守護者」「やたら精神年齢の高い赤ん坊」とかは出てきません。

半ば神格化されたようなマフィアの世界を描いた映画です。

 

 

ゴッドファーザーとは、そのマフィアのボスに対する、敬意のこもったあだ名といったところです。

 

 

 

 この映画は、TSUTAYAだとなぜか「アクション映画」の棚に置いてあったりするんですが、まったくアクション映画ではありません

 

 

僕も初めて観たとき勘違いしてたんですが、ゴッドファーザーと呼ばれる男が闇の世界で大暴れして次々と事件を解決していく映画」とかではありません。

 

 

 

 

3.マフィアって??

 

 

マフィアとは、イタリアシチリアルーツとする犯罪組織です。

日本でいうとこのヤクザがイメージに近いかと。

 

ヤクザのグループが「○○組」と呼ばれるように、マフィアのグループは「○○ファミリー」と呼ばれます。

 

ゴッドファーザー』は、「コルレオーネ・ファミリー」というマフィアの物語です。

 

 

マフィアのルーツであるシチリアは、かつて多くの見知らぬ外国人から支配を受けていました。

それゆえに、「政治や体制」といったものをあまり信頼していません

それよりも「繋がり」といった義理的なものを重んじます。

 

 

ここで注意すべきなのは、マフィアは本来イタリアのものなのですが、『ゴッドファーザー』の舞台はアメリカです。

というのも、19世紀末にマフィアたちはアメリカに移民したんですね。

 

そもそも当時のイタリアには南北問題があり、シチリアの小作農たちはアメリカに移民しなくてはならないほど困窮していたのです。

しかし、もともと「政治や体制」を信頼していないシチリア人ですから、アメリカに行ってもアメリカの体制に縛られることを嫌い、「マフィア」という、血統主義の、閉鎖的な社会を作ったというわけですね。

 

コルレオーネ・ファミリーのボスも、幼いころにシチリアからの移民としてアメリカにやって来ました。今はニューヨークに拠点を置いている、イタリア系アメリカ人ということになります。

 

この辺を知らずに観ると、結構ゴッチャになるので、頭に入れときましょう。

 

 

★余談ですが、こういった「マフィア」のリアリティある実態は、マーティン・スコセッシグッドフェローズ』(1990)などで描かれています。『ゴッドファーザー』と対比して観ると面白い。

 

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 4.『ゴッドファーザー』のテーマ

 

この『ゴッドファーザー』という映画は、マフィアの世界を生き抜く男たちの様を描いた作品であると同時に、「父と息子」の物語でもあります。

 

ファミリーを引っ張っていく「ボス」という立場を、父から息子へと受け継がれていく様を描いた作品です。

 

そのため、父と息子、それぞれの考え方の違いや、それぞれの存在がどういう影響を与えているか、などに着目して観るとわかりやすいと思います。

 

 

そして、移民、という物の性格についても描かれます。

 

体制を嫌い、アメリカに迎合することを嫌った父。

軍に従事し、資本主義的な考え方に染まる息子。

 

そういった対比もおもしろいでしょう。

 

 

5.キャラクターたくさん

 

そして、何より大変なのが「キャラクター」が多いこと。

名前を覚えられないと、「え?このフレドって誰?」みたいなことが多発します。

 

 

 

マジで多発します。

 

 

 

本当に名前を覚えてる前提で話がガンガン進むので、主要人物や主要なワード(○○ファミリーなど)は簡単なメモを取ることをお勧めします。

 

ここで、簡単にキャラ像を頭に入れるためにキャラ紹介をしたいと思います。

 

Wikipediaを参考 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B4%E3%83%83%E3%83%89%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%BC%E3%82%B6%E3%83%BC_(%E6%98%A0%E7%94%BB)

 

 

・ヴィトー・コルレオーネ (演:マーロン・ブランド

【ファミリーの支柱 義理と人情のゴッドファーザー

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 作中での呼ばれ方 ドン・コルレオーネ、ゴッドファーザー、ヴィトー、パパ など

 

コルレオーネ・ファミリーのボス

結構おじいちゃんだが、マフィアの世界の超大物。

義理堅く、情に厚い。子供や妻にも愛情をたっぷり注ぐ。

マフィアなので悪いことを山ほどしてきたけど、人を壊す「薬物」だけは忌み嫌っていて、手を出さない。

幼いころにシチリアから移民してきた。

 

 

ぶっちゃけ、あんまりなんもしない。

 

 

もうお爺ちゃんだからね。

 

まあ実際いろいろしてはいるんだけども、派手なことはあんまりしない。

でも人の本質を見抜く力や人を束ねる力に長けていて、言葉の重みや信頼感、安心感が半端ない安西先生的なポジション

 

 

 

 

・マイケル (演:アル・パチーノ

 【マフィア嫌いのインテリボーイ】

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ヴィトーの三男。

インテリで無口。アメリカの体制を嫌う父への反発もあってか、大学を中退しアメリカ海軍に従事

あまりマフィアの世界が好きではないため、家の事には口を出さない。

 

しかし、強い意志と冷静な判断力があり、ヴィトーの息子たちの中なら一番素質がある。

 

ヴィトーが「どらえもん」なら、マイケルはのび太のポジションで、本作の主人公ともいえる。

 

 

 

 

ソニー (演:ジェームズ・カーン

【短気でパワフルな頼れる女たらしアニキ】

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ヴィトーの長男。長男なので、兄弟たちのリーダー的存在。

 

真っ直ぐな性格で、短気で逆上しやすく、暴力的。すぐ大きい声で怒鳴る。

 

女癖が悪く、めっちゃ浮気する。

 妻曰く巨根

 

時代が「麻薬業」に移っていることを見抜き、このままだとコルレオーネ・ファミリーは置いていかれてしまうのでは?と少し危惧している。

 

 

・フレド

【ひ弱なもやし男】

 

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Part1にはあんまり出てこない。

ヴィトーの次男で、優しい性格だが気が弱く、マフィアに向いていない

ラスベガスで商売を学んでいたらしいが、ラスベガスを仕切るモー・グリーンという人物にいいように扱われていた。

 

ほとんど姿を見せないため、何を考えているかわからない。

 

 

・コニー

 【ダメ夫持ちのおてんば娘】

 

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ヴィトーの娘で、末っ子。彼女の結婚式のシーンから始まる。

カルロという夫がいるが、DVを受けている

 

 

 

・トム・ヘイゲン (演:ロバート・デュバル

【頭脳明晰、冷静沈着 ヴィトーの右腕】

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アイルランド系で、コルレオーネ家とは血のつながりがない

幼いころ、孤児だった彼をソニーが連れてきて、それ以来実の子供同然に育てられた

そのためファミリーに対して深い恩を感じており、大学を出たのち、ファミリーの弁護士として従事している。

 

ヴィトーの右腕。

めっちゃ頼りになる。一番冷静かつ仕事人。

 

ヴィトーの相談役ということもあり、裏の世界でも名が轟いている。

 

 

 

以上がコルレオーネ家の面々。

 

以下、血のつながりがない「コルレオーネ・ファミリー」の主要人物です。

★トム・ヘイゲンも血のつながりはないですが義理の息子として育てられたため上に記載しました

 

 

・ケイ

【彼氏に振り回され続ける悲劇の一般女性】

 

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マイケルの彼女。のちの妻。

いつ見ても全然幸せそうじゃない

 

 

 

・クレメンザ

【カタギの頃からのヴィトーの相棒 やりすぎません、暴力は。】

 

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コルレオーネ・ファミリーの幹部。ヴィトーとは堅気の頃からの付き合い

肥満体系で、世話好きで面倒見がよい。

なんかうまそうなパスタを作ってた。

 

部下も多く、信頼されている。

 

 

・テシオ

【クールでシックなコルレオーネの幹部】

 

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コルレオーネ・ファミリーの幹部。クレメンザと同じく、ヴィトーとは古い付き合い

冷静で頭が切れる。

 

もの静かで何を考えているかよくわからない。

 

 

・ルカ・ブラージ

【殺しには容赦ない大男】

 

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おっかない見た目の大男。大声で祝辞の練習をしていた人。

凄腕の殺し屋。

 

 

・カルロ

【承認欲求満点のDV野郎】

 

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コニーの夫。しかしコルレオーネ兄弟たちからあまり信頼されておらす、マフィアの仕事に関わらせてもらえていない

 

プライドが高く、疎外感からくる苛立ちをDVという形でコニーにまき散らす最低の男。

 

とにかく承認欲求が高い。

こいつぁマジで最低の男。

 

 

・ポーリー

【大事な時に風邪ひいちゃいます】

 

クレメンザの右腕で、ヴィトーの専属運転手。

 

 

 

この辺りは主要人物であるのにもかかわらず作中では割とアッサリ紹介されて終わってしまうので、しっかり名前とプロフィールを頭に入れておきましょう!

 

そして、以下はコルレオーネ・ファミリー以外のマフィアを紹介。

この辺は人間ドラマではなく物語を進める上で重要な役割を担ってきます。

 

 

・タッタリア・ファミリー

【コルレオーネと確執のある敵対ファミリー】

 

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どうやらコルレオーネ・ファミリーとは確執があるそうで、簡単に言えば敵対しているファミリー。

しかしヴィトー曰く恐れるに足りない存在らしい。

 

 

・ソロッツォ

【ナイフ使いの通称「トルコ人」】

 

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麻薬ビジネスを行う密売人で、タッタリア・ファミリーと繋がっている

 

コルレオーネ・ファミリーに麻薬ビジネスの話を持ち掛けるが、麻薬を嫌うヴィトーに一蹴される。

 

 

 

・マクラスキー警部

【めちゃくそ嫌な警察やろう】

 

めちゃくちゃ嫌なやつ汚職した警察官。

ソロッツォと繋がりがあり、理不尽にマイケルをぶん殴り、のちに無事成敗される

 

 

 

・バルジーニ・ファミリー

【ニューヨークの5大ファミリーの一つ】

 

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なんかヤバそうなファミリー。

「タッタリアは器じゃない」と見抜いたヴィトーが、本当に気を付けるべき相手としている。

 

 

 

・モー・グリーン

【フレドを使いパシる大富豪】

 

ラスベガスを仕切る人。フレドを利用していた。

バルジーニ・ファミリーと繋がりがある。

 

 

 

はい。いかがでしたでしょうか。

極力わかりやすく説明したつもりですが、それでも既にこんがらがってきたんじゃないでしょうか。BLEACHを途中から読み始めた時並みに意味不明かと思います。

 

これを映画の中でサラッと説明してくるわけですからね。初見じゃなにがなにやらさっぱりだと思います。

 

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 映画の中でしっかり追っていれば次第にわかってくると思いますが、わからなくなったら一度整理してみましょう。

 

 

6.ストーリーのあらすじ

 

ザっとしたあらすじを流れで紹介し、物語をより楽しめるようにしたいと思います。

1ミリのネタバレも嫌!という方はご注意。

 

 

舞台はアメリカ。ニューヨークの郊外。

ここでは、コルレオーネ・ファミリーの末娘コニーの結婚式が行われている。

ファミリーのドン、ヴィトーは、彼を「ゴッドファーザー」とあがめるものたちの復讐の代理などの依頼を受けていた。

彼はイタリア系のマフィアであり、表向きは貿易会社の実業家として暮らしている。

ある時、ソロッツォという麻薬ビジネスを扱う密売人が、麻薬に関する仕事を持ち掛けてくる。

ヴィトーは麻薬を毛嫌いしているため、その話を突き返す

ソロッツォのバックに敵対ファミリーのタッタリア・ファミリーの影を感じ取り、ルカ・ブラージを偵察に向かわせるも、ルカ・ブラージが殺害される

さらには肝心のヴィトーも何者かに襲撃され瀕死の傷を負う

そこからファミリー間の抗争の始まることとなるが、大きな支柱であるヴィトーが危篤状態ということもあって、ファミリーは不安定な状態となってしまう。

そんな中、一人のマフィアとして、家業に興味を示してこなかったマイケルが立ち上がる

 

 

こういった具合です。

まあここにいろんな人間ドラマがあり、裏切りや寝返りなんかがあるんです。

ちゃんと追っていけば、めちゃくちゃ面白いです。

 

 

 

誰を信じ、誰を疑うか?

 

裏切者は誰?

 

抗争の黒幕は?

 

戦いの決着は?

 

 

 

ぜひ、本編を観てください。

 

 

 

 

いかがでしたでしょうか。

ある程度の予備知識があれば、一回見ただけでも楽しめるのでは、と思います。

人間ドラマとして奥深く、一度のみならず何度も繰り返し観たくなるような魅力のあるこの映画。

ぜひとも名作を楽しんでくださいね。