ウサミ映画雑談カフェ

好きなものは映画とミスチル他。 好きなものの魅力を雑談形式で。

ようやく『ラ・ラ・ランド』を観た男

兵庫県出身、ウサミと申す者。

 

どうも。お元気ですか。

僕はすこぶる元気です。

 

 

先日、ラ・ラ・ランドという映画を観ました。

 

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”という”なんて付ける必要もないくらいに有名で、日本でも大ヒットを記録したこの映画。

映画好きからライト層まで、多くの人に愛されている名作映画です。

 

『セッション』デイミアン・チャゼル監督作品で、二人の男女の恋愛模様を、オシャレな映像と軽快なダンス、素敵な音楽でつづったミュージカル作品です。

 

 

僕は、つい最近、ようやくその『ラ・ラ・ランド』を観ました。

映画好きを自称しておきながら、「今更!?」と思われても仕方ないですが、今更です。

 

あんなもんは映画好きならまず最初に食いつくでしょ!

と思う方もいらっしゃるかもしれません。確かに、アカデミー賞を総なめするような作品でしたし、僕も話題作はとりあえず観る方です。

 

 

でも、どうしてもこの映画を観るにあたってここまで時間がかかってしまう理由があるんです。

 

 

ミュージカル映画が苦手

そうなんです。根本的な話になりますが、僕はそもそもミュージカル映画が苦手なんです。

「ディズニー映画」のようなアニメーションの世界なら、むしろ好きなんですが、実写になるとどうしても登場人物たちが突如として歌いだす光景になれることができないのです。

 

実は昔レ・ミゼラブルを観たんですが、

 

もう歌わないで!!!

 

という元も子もない感想を抱いてしまい、話の内容が全く入ってこなかったんです。

 

 

 例えば、『ラ・ラ・ランド』にも、核となるシーンで登場人物たちが歌い、踊るシーンが出てきます。

なんかフラッシュモブとかもそうなんですけど、関係ないはずの人とかが突如ノリノリで踊りだす的な演出が、どうしても苦手なんです。

 

 

・恋愛映画が苦手

 そして、恋愛映画が苦手なんです。

どうしても、他人が恋愛している様に没入できないし、感情移入もできないんです。それなのに、二人が仲違いしたりするさまを観ていやな気持になりたくないんです。

 

感情移入しないくせに変なとこだけ入り込む。絶望的に向いてないですね。

恋愛映画好きの方からすれば何を言ってるんやということかもしれません。

 

 

 

こんな苦手要素が二つも前面に出ている映画を僕がすんなりと観れるはずもなく。

しかし、これだけ話題になり、賞レースでも高い評価を得た作品。

無視するわけにはいかないと、思い切って鑑賞しました!

 

 

 

【感想 観てない方は、ネタバレになりますのでご注意】

 

ラ・ラ・ランド』(2016)

監督:デイミアン・チャゼル

出演:ライアン・ゴズリング エマ・ストーン 

 

監督は、才能の世界の狂気を突き詰めた『セッション』によって高い評価を得た、デイミアン・チャゼル

主演に、豊かな表情と高い演技力を誇る エマ・ストーンライアン・ゴズリング

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やはり、ライアン・ゴズリング「きまってる三枚目」役をやらせたら右に出るもの居ないですね。

 エマ・ストーンは豊かな表情が魅力的で、「かわいらしいアメリカ的女性」を好演し、アカデミー最優秀主演女優賞に輝きました。

 

ストーリーはシンプルで、ジャズピアニストとして大成し、自分のバーを持ちたいという夢を抱いているセブと、女優として大成したいというミアが出会い、恋に落ちるというもの。

 

資金作りのためにセブが加入したバンドが成功し、それがきっかけで二人が擦れ違ってしまう。

 

「あなたが叶えたかった夢とはこれ?やりたかった音楽ってこれ?」

 

「生きるために真面目に仕事をするのがそんなにいけないことか?」

 

これを機に破局してしまった二人。

 

しかし、ここから二人の運命はそれぞれに広がっていきます。

 

ミアは自作の一人舞台が評価され、そこから女優として成功をおさめ、セレブの仲間入りを果たします。

 

そんな彼女がたまたま入ったバー。そこはセブが経営するジャズ・バーでした。

見事お互いの夢を叶えることに成功し、再び巡り合った二人。

 

そこから、二人が結ばれる運命をたどっていたら・・・?

という映像が走馬灯のように流れ出します。

 

見どころ、感想を綴っていこうと思います。

 

 

デイミアン・チャゼルのオシャレな画

画面の中の陰影と明暗、そしてカラーのコントラストが見事。

常に暗い画の中にも必ず”挿し色”が入っているんですね。

そういった色彩センスの高さも魅力です。

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ある意味では、「リアリティの無い」世界観

普段の我々が住んでいないようなオシャレな世界を見せ、ファンタジックな印象を与えます。

「あの時、ああしていたら・・・」

映画のオチとなる回想シーンを彩る、一つ一つのシーンが「脳みそで切り取った思い出の映像」そのものなのかもしれません。

 

・カラフルな衣装

ミアのドレスやシャツ、トートバッグに至るばで、すごくカラフルで美しいのが印象的でした。

しかし、ラストシーンでのミアのドレスは黒。映像も、すこし色彩が抑えめだったのを覚えています。

カラフルな衣装は「何かの色に染まりたい」アイデンティティを模索するミアの心情を、黒のドレスは「自分の生き方を見つけた」ミアの心情を表しているように感じました。

 

”あなたはあなたの、わたしはわたしの道を行きましょう”

 

見事な対比を見せることによって、ラストの切なさが強調されているのかも知れません。

 

・ダンスシーン、歌うシーン

ミュージカル映画の最大の見せ場です。

開幕からいきなりワンカットでの壮大なオープニング

渋滞するハイウェイを楽し気な世界に変えてしまい、そこからの素敵な物語を予感させる、素晴らしいオープニングとなっています。

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二人が心を通わせていくさまや、出会いの過程などを軽快なダンスと音楽によって彩っています。

言葉だけではなく、視覚的なもので楽しませるという手法が見事。エンタメ映画としてのレベルを大きく上げる結果となっています。

 

個人的には少し冗長に感じました。ラストシーンがあまりに見事だったので、もう少しミュージカルに対して退屈さを感じずに観れればなあと思いました。

あくまでこの辺は好みの問題ですよね。

 

・素晴らしいラストシーン

正直、ラストシーンを観るまでは、この映画退屈で全然好きになれませんでした。

しかし、ラストシーンで度肝を抜かれてしまったのです。

 

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たまたま、混雑している道をはずれ、雰囲気のよさそうなバーへ入ったミアとその夫。

なんとそこはセブの店だった。

 

「夢をかなえたのね…」

 

ミアの姿を見つけたセブは、おもむろに二人の出会いの曲を弾き始める。

 

そこから流れるのは、「もし二人が結ばれていたら」世界線

 

 

あの時ああだったら。

あの時こうしていたら。

あと少し、早かったら。あと少し、遅かったら。

 

いろんな「もしも」の連続で、あらゆる分岐点の先に人々は生きている。

 

「あの日、あの時、あの場所で君に会えなかったら」

 

 あの日、あの時、あの場所で君に会っていたら。

 

恋とは、あくまで運命の分岐点であり、終着点である。

そしてエンディングはいくつも用意されているのに、時間は一度しか流れてくれません。

流れ去った時間を思い起こすとき、その分岐のひとつひとつを、人は「運命」という言葉によってのみ込もうとします。

 

リセットはできない、だからこそ、その一瞬のため、その先に待つものが悲劇だろうと喜劇だろうと、その瞬間を生きる。それこそがロマンスなのです。

 

あの時、道路が混雑していなかったら?

あの時、あの道を通らなかったら?

あの時、あの店に入らなかったら?

あの時、セブがミアを見つけなかったら?

 

彼らの再開も、大いなる運命の一つの終着点であり、同時に分岐点である。

彼らの物語はまだ続くのかもしれませんね。

 

 

なぜか、トニー・スコットの『トゥルーロマンス』を思い出したんですが、僕だけですかね?

観てない方は、こちらも、ぜひ。